まぐろぐ

ゆるゆる備忘録。

人生n回目だと思われる友達からもらった3つの言葉 その2

次に私を救ってくれたのは、大学院に入って直後の言葉だった。

 

私と彼は同じ学部で4年過ごし、結果的にさらに2年間、大学院生として同じ研究室で過ごすことになる。

 

彼が大学院に進学するとは夢にも思っていなかった。しかも同じ研究室で。

 

私は彼との数少ない接触の中でさえ、彼のタダモノジャナイ感を薄々感じとってはいた。私や私の周囲とは違う切れ者であることも知っていた。

だからまあ、進学すると聞いたときは驚いたが、あっさり受け入れられるくらい違和感はなかった。

彼が進学するきっかけになったのは、学部の卒論の時にお世話になった研究室(のちに彼と私が進学する大学院の研究室)の助教に能力を買われたからである。

 

そんなタダモノジャナイ彼と進学してしまった私は地味に焦った。自分だけ置いていかれるのでは。

まあそんな妄想?を作り上げてひとり勝手に追い込まれつつあった。

 

ある日、私がある論文をプレゼンすることになり、その練習に彼をつきあわせていた時、不意に大学院進学のきっかけの話になった。私は彼が進学したことで、能力に差が出るのではと思ったことを話した。

 

私が、あなた(彼)の能力が高いから私は気後れしているんだ、焦っている、みたいなことを言うと、

彼はそれに対して、「俺こそまぐ(私)には勝てない」と言った。

続いて私が、私にないものをあなた(彼)は持っているから強い、羨ましいと言ったその後の発言が私の心の中に落ちる。

 

「俺にないものをまぐは持ってる。だからある方がない方を補えば基本なんでもできるじゃん。俺はまぐと2人ならなんでもできると思ってる」

 

はっとした。なんで私は彼と比べるようなことをして戦おうとしていたのか。

そもそもタダモノジャナイんだから土俵が違いすぎたし、「2人で」という素晴らしさに全然気づいていなかった。

 

この発言はのちに彼と私の標語というか、合言葉のようになっていった。そして実際、片方が苦手な分野を補うように、もう片方がその役目を担うことも多々あった(余談だが、彼は「自分になくて私にあるもの」がなんなのか、話してくれたことがないため、私が彼の補助をできていたかは自信がない)。また彼が、私のことを頼りにしてくれていることも素直に嬉しかった。

 

今振り返ってみると、私が無事大学院を修了できたのは彼の存在やこんな言葉の支えが大きかったと言える。

 

続きはまた