まぐろぐ

ゆるゆる備忘録。

今週のお題「私の好きなアイス」 その2

今週のお題「私の好きなアイス」

 

アイスの話でもう一本。

今回はきちんと「好きなアイスの話」である。

 

一番好きなアイスはなに?と聞かれても、基本的にアイスはなんでもおいしいので決められない。食べたいアイスは気分によって変わる。例えばチョコモナカジャンボのようにガッツリ食べたい時もあるし、ピノパナップのように少しだけ食べたい時もある。MOWやハーゲンダッツのように濃厚なものを食べたい時もあるし、爽やガツン、とみかんのようにシャリシャリ系のものを食べたい時もある。私は比較的食べたいアイスを決めて買いに行くことが多い。

 

しかし、コンビニにふらっと寄ってアイスを買いたい時、真っ先に選択肢に入ってくるのは抹茶味のアイスである。理由は抹茶味のものが好きだから。市販の抹茶味のアイスは、苦味が抑えられていて食べやすいものが多い。それがいいところでもあるのだが、抹茶の苦味が好きな人には少し物足りない時もある。私は抹茶の苦味が結構好きなタイプなので、ときたま、市販の抹茶味のアイスを甘すぎると感じることがあるのだ。

 

そんな抹茶好きの私がかねてより食べたいと思っていたアイス (ジェラート) がある。静岡県にある「ななや」というお店の「世界で一番濃い抹茶ジェラート」だ。このお店の抹茶ジェラートは、抹茶の濃さごとにナンバーが振られており、「世界で一番濃い抹茶ジェラート」はNo.7にあたる。つまりNo.1が親しみのある抹茶味のジェラートに近く、番号が上がるにつれ、抹茶の濃度が濃くなっていくのだ。

 

ずっと食べたい、と思っていた願いが通じたのか、大学院2年生のとき、たまたま静岡県に遊びに行き、ななやのジェラートに出会った。ななや本店ではなかったのだが、その売店にも、抹茶ジェラートはNo.1から7まできちんと順番に並んでいた。見事な緑色のグラデーションに、それだけで感動した。

 

私は迷いもせず、No.7の「世界で一番濃い抹茶ジェラート」を選択し、比較対象のため、No.1とNo.4も注文し、すべてを乗せたミニパフェにしてもらった。緑色の幸せの小塔が立ち上がる。

 

No.7から食べるのはもったいなくて、No.1をひと口。ほどよく甘さがあって、食べやすい抹茶ジェラートである。さすがお茶屋さんのジェラート、一番抹茶割合の少ないNo.1でも、茶葉の香りを感じる。美味だった。

続いてNo.4。先ほどのNo.1と比べると、確かに抹茶の濃厚さを感じる。よほどの抹茶好きでなければ、苦すぎると感じてしまうかもしれない味であるが、その奥にある少しの甘みが苦味をより引き立てている。これも美味。

 

最後のNo.7。楽しみにしていたそれは、市販の抹茶アイスには見られない深緑の塊で、重厚感があった。なんとこのNo.7、使われている茶葉も最高級品だという。贅沢だ、と思いながらスプーンでアイスをすくいあげると、No.1や4よりもずっしりと重みを感じた。それだけで、お店が誇りに思う看板商品であることが伝わってくる。

 

ひと口。プラスチックスプーンの先にのった、たったひと口だけで、口の中は抹茶の濃い苦味に包まれた。No.4は苦味のあとから甘みを感じたが、No.7は苦味しか感じられなかった。しかしその苦味は鋭いものではなく、舌の上で転がしてゆっくり味わいたくなるような優しさを持っていた。抹茶ジェラートの「本物」を見せられた。私はその「本物」のジェラートを、ゆっくり堪能した。美味であった。

 

実際、ななやの「世界で一番濃い抹茶ジェラート」を食べてから、これ以上に濃い抹茶アイスには出会ったことがない。抹茶味好きとして、このジェラートに出会ったのはとても貴重な経験だった。

ぜひとも、今度は本店で、ななやの「世界で一番濃い抹茶ジェラート」を堪能したい。